防水編

防水には工法や材質によって様々な種類がありますが、大きく分けると塗膜防水・シート防水・アスファルト防水の3種類から分別されます。

施工当初からの耐用年数は10年~20年ですが、各工法、短所・長所があり、施工時の選定を誤ると劣化の進行が早くなったり、不具合が生じてしまいます。

劣化により防水層内へ雨水が浸入すると、雨漏りの原因や建物自体の腐食の原因ともなりかねます。


塗膜防水(ウレタン防水)

塗膜防水は架台等が多数ある、複雑な地形の部位に適しており継ぎ目の無い防水層を形成する事が可能であります。

施工当初の樹脂の塗布量によって劣化進行度が左右され、厚みが薄いと耐久性が落ち、劣化の進行も早くなる。

経年劣化すると磨耗、変色、破断、フクレが起きる。


シート防水

シート防水の材質は大きく分けて2種類あり、塩ビシート防水・ゴムシート防水から分別されます。

単層であり他の工法に比べて軽く、重量による建物に与える影響が少ないのが長所であります。

劣化すると、シートを柔らかくする為に混入されている可塑剤が経年劣化で抜けて行き、シートの硬化・縮みが発生し破断に繋がる。


アスファルト防水

アスファルト防水の歴史は古く信頼性があり、現在の新築マンションの屋上防水でのシェアは80%程度を占める。

専用のシートに溶融したアスファルトを流しながら2枚・3枚と積層させ、厚みのある防水層を形成させる。

アスファルト防水がむき出しの露出防水と、コンクリートの下にアスファルト防水が施されている、押さえコンクリート仕様の2種類があり、屋上等の非歩行部分では露出防水が採用され、ルーフバルコニー等の歩行用の場合は押さえコンクリート仕様が採用されている事がほとんどである。

露出防水が劣化すると、フクレや接合部の口あき、トップコートの色褪せ、表面のキレツ等が発生する。
押さえコンクリート仕様で雨漏り等の不具合が発生すると、原因の特定が難しくなり全面改修が必要になる場合がある。